ベビーフードの技術的変遷

ベビーフードは、成長段階や使用場面、素材の性質などを考慮して、様々な製法と容器包装が選択されています。
以下に、日本のベビーフードの主な技術的変遷を紹介します。
身体が未熟な乳幼児にとって、「安全」が最優先の留意事項ですので、ベビーフードでは全く新しい技術を導入するのではなく、むしろ一般食品で長年の経験を積み重ねた技術を応用するという歴史をたどっています。

1937年

日本初のベビーフード「グリスメール」が誕生 白米を粉砕し加熱殺菌したものを缶に充填したもので、使用時に水に浸してから煮て、ようやくお粥ができあがるというものでした。

1952年

フレークタイプベビーフードが登場 食品用ドラム乾燥機を用いることにより、お湯を加えるだけで簡単につくれるようになりました。

1959年

缶詰ベビーフードが登場 開封してすぐに食べられる果実や野菜、レバーなどの裏ごしが登場しました。
その後、サイの目状の固形物の入ったものも登場するようになりました。

1968年

粉末果汁が登場 アルミラミネート包装技術の進歩によって、一回分ずつ分包されるようになりました。

1971年

瓶詰ベビーフードが登場 それまで主流だった缶詰から、中身が見えて安心感のある瓶詰へと移行していきました。

1984年

世界初のフリーズドライベビーフードが誕生 真空状態で低温乾燥するため、素材本来の味、色、香りが生かせるようになりました。
また、ブロック状に乾燥されているため、裏ごし状だけでなくサイの目状の具材が利用できるようになりました。

1987年

レトルトカップベビーフードが登場 スチール箔を芯材としたプラスチックラミネート容器と、剥離性の良いアルミラミネート蓋材を用いることで、開封が容易ですぐに食べられるようになりました。
また、殺菌の際、中心部までの熱伝達が速いため、内容物を煮崩れさせずに適度な硬さを保持させることが可能となりました。

1999年

500mlペットボトル飲料が登場 1996年4月に自主規制を廃止し、1999年からベビー飲料容器として500mlの小型ペットボトルが採用されました。

2002年

電子レンジ調理商品が登場 ゼロから作らなくても、電子レンジ調理するだけで完成するおやつが登場しました。
初めてでも簡単に作れるので、普段のおやつだけでなく、ちょっとしたイベントでも手作りおやつが楽しめるようになりました。

2003年

紙容器飲料が登場 アルミラミネート包材の紙パックに無菌充填することで、常温で持ち運びのできる小容量の紙パック飲料が発売されました。
飲み切りタイプで、ごみの処理も簡単になりました。

2022年

電子レンジ対応パウチ入りベビーフードが登場 パウチの材質構成を工夫することで、電子レンジ耐性と自立性を両立させることが可能となりました。
パウチごと電子レンジで温められ、そのまま食べさせられる容器としても使えるようになりました。